真言宗の教え
弘法大師の教え
真言宗の教えは、弘法大師こうぼうだいしによって完成されました。その教えは、自分自身が本来持っている「仏心ぶっしん」「限りない人格」「さとりの世界」を、「今このとき」に呼び起こす即身成仏そくしんじょうぶつに求められます。それは、自分自身を深く見つめながら、「仏のような心で」「仏のように語り」「仏のように行う」という生き方です。この教えをもとに、人々がともに高めあっていくことで、世界の平和がもたらされ、理想世界としての密厳仏国土みつごんぶっこくどが完成するのです。
ご本尊
真言宗のご本尊は大日如来(だいにちにょらい)です。大いなる智慧(ちえ)と慈悲(じひ)をもって、すべてのものを照らす根本の仏さまです。私たちが手を合わせるさまざまな仏さまは、すべて大日如来の身を変えた姿なのです。それぞれにご縁のある身近な仏さまへの信仰は、すべて大日如来につながっているのです。
総本山
真言宗豊山派総本山です。奈良県桜井市初瀬にあります。山号を豊山神楽院と称します。本尊は十一面観音、開基(創立者)は僧の道明とされています。西国三十三所観音霊場の第八番札所であり、日本でも有数の観音霊場として知られています。舞台造の本堂は17世紀に3代将軍徳川家光公のご寄進により再建されました。本尊十一面観音像は高さ10mを超え、木造の仏像としては日本最大です。